【高校野球試合レポート】都立武蔵・大島海洋国際・大泉。連合が見せた意地

9月18日(日)、帝京高校グラウンドにて、第9ブロック代表決定戦、都立武蔵・海国・大泉の連合チーム対武蔵丘の試合が行われた。

両チーム内野に多少の乱れはあったものの、要所で締めなかなかホームを踏ませないといった展開。連合は初回に1点、武蔵丘は初回と5回に1点ずつを挙げただけで、9回まで試合は進む。

1-2で迎えた9回、ここから連合が意地を見せる。
先頭が相手のエラーで出塁すると、その後得点圏まで進め、2アウト。
ここで打席は大泉の師岡(1年)。

この試合、これまでの彼の打席内容は、自身も満足のいく内容ではなかっただろう。ベンチとしてもここで代打の選択肢は十分ありえたはずだ。しかし、河井監督(都立武蔵)は師岡(1年)をそのまま打席に送る。

「彼のミートする力の高さは練習で見ていたので」と河井監督。実際私も取材で大泉には訪れていて、彼のバッティング練習を見ている。内野の頭を越す低く綺麗なライナー。それが彼の持ち味だ。

そしてこの打席で彼は変わる。これまで消極的だったのがファーストストライクから振っていく。
追い込まれてからのフルカウント。次の瞬間、その低く綺麗なライナーがライト前に飛んでいく。右前適時打。9回裏2アウトから土壇場で連合が追いつき、そしてそのまま延長戦へ突入した。

試合は12回にまた動く。先頭・海国の関口が右翼線へ二塁打を放ちチャンスメイク、そして4番である大泉の板垣がレフト前に適時打。スコアは3-2。ついに連合が勝ち越しに成功した。
「連合チームで本大会出場」。その目標まであと一歩のところまで迫る。

しかし、ここで試合は終わらなかった。連合のピッチャー曽我(都立武蔵・1年)は11回を一人で投げ抜いていた。
1点を返され3-3のあと、満塁。最後は押し出し四球を与えゲームセット。延長12回3-4で最後は武蔵丘が本大会出場を勝ちとった。

試合終了後、連合応援席からは「ナイスゲーム!!」という声と惜しみない拍手が上がっていた。

河井監督は曽我に対し、
「スタミナや精神面など課題は見つかったが、本当によく投げ抜いてくれた。まだ1年なので、楽しみな存在ではありますね」とコメント。

「この3校で連合を組んだ時から『ただ試合にでるだけではなくて、本当に勝ちにいくチームを作ろう』と、指導者、そして選手のみんなでやってきました。それだけに最後は勝ちたかったです」と最後はそう話してくれた。

選手はひとつの打席、ひとつのプレーのために、どれだけバットを振って、どれだけノックを受けてきたか、現在野球をしている、またはかつてしていた人なら想像に容易いだろう。手のマメが潰れると風呂に入るのも痛いし、ノックでは本当に足が動かなくなる。しかし、そういった練習が結果として結びつく喜びは、代えがたいものがある。連合の選手も「本戦出場」に向かって、本気で練習に取り組んできたはずだ。彼らの目標はあと一歩のところでついえたが、この試合を見ていた人たちは、何かを感じ取ったはずだ。言葉にすると安っぽいが、今日の選手の姿をみていて、私自身も勇気をもらった。両チームの選手を本当に称えたいと思う。そして、これからも目標に向かって惜しみない努力を続けていってほしいと願う。

(取材・文◎伊藤文人)

連合参加チームの過去の取材記事はこちら(クリックで表示)
大島海洋国際高等学校
大泉高等学校