外部指導員のあり方と、これからの「部活動」

みなさんの学校の部活には「コーチ」はいますか? いる部活もあれば、いない部活もあると思います。先生とはまた違った意味で支えになるコーチ。今日はその「コーチ」にスポットをあてて、ある部活動を紹介したいと思います。

六本木中学校サッカー部

六本木中学校は、六本木駅から徒歩5分ほど。都心のど真ん中にある公立中学校です。

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グラウンドからは六本木中心のビルの風景が見える

全校生徒は約200人と決して大きな学校ではないですが、生徒のみなさんは部活動はもちろん、勉強、学校行事と、学校生活を一生懸命頑張っています。

この学校に、コーチと先生と一緒になって頑張っているサッカー部があります。

本日の取材では、毎週水曜日と金曜日に行なわれている朝練習に行ってきました。

朝練習の開始時間は7:30より。生徒のみなさん、そして顧問の先生とコーチが一緒になって活動を始めます。

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現在、六本木中学校サッカー部は、港区予選を突破して都大会に出場することを目標として活動しています。
この部活に外部コーチとして指導しているのが前原さんです。

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六本木中学校サッカー部 外部指導員の前原さん

前原さんが六本木中学校サッカー部のコーチを務めるようになったのは、ある理由があります。

「もともと小学校でコーチをやっていたのですが、そこの卒業生がこの六本木中学校に進んだ後、大会に出ていないと聞いたんですね。どうしたの?と聞くと、ちょうど顧問の先生が代わられた時期で、サッカーを専門的に教えてくれる人がいなくなってしまって今回は大会に出るのをやめたということだったんですね。そこで私にお手伝いできることがないかと思ったのと、地域の人からのお誘いもあり始めさせていただいたのがきっかけです」
と前原さん。

現在、学校教育の現場は、教員の数はギリギリで回しているところが多いです。生徒数が少なくなればなるほど、もちろん教員の在籍数も少なくなります。もしかすると、いくつかの部活動の中には、専門的な技術指導ができる先生がいないという事態も時には生じてしまいます。
こういったケースでは、こども達の「もっとやりたい!」という思いに応えられないという先生方の葛藤は、こども達に一番近い存在で、気持ちを肌で感じれる立場だからこそ、辛いものがあるでしょう。

そんな時に、地域の専門的知識を持った人が指導に来てくれるというメリットは大きいです。

こども達の成長を感じられるからこそ続けられる

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前原さんのような外部指導員には、学校から謝礼が支払われる場合がありますが、その額はとても多い額とは言えません。しかも、こういった朝の早い時間や、時には休日までも指導の時間に費やすケースも多々あります。サッカーが好きという気持ちはもちろん、大きなやりがいや目標がないと継続することは難しいと思いますが、前原さんはどのようなことを感じているのでしょう?

「やはりこども達の成長を感じられることが大きいです。このチームに入ってくるこども達は、小学校の頃にハイレベルな練習を積んできた子たちというわけではないのですが、2年間の練習を通してそういう子たちに負けないぐらい追いついたり、劣っているところがあっても自分の長所を見つけて磨いていき、試合ではそれがチームの大きな力となっていく様子を見ることができるのは、やはり楽しさを感じます」

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こういったこども達の成長を直に感じられることが前原さんにとっての大きな原動力になっているようですね。

これからの日本の「部活」のあり方

現在このサッカー部には顧問の先生が2人いますが、これまでサッカーを経験したことはなかったそうです。それでも生徒と一緒になって練習をし、一緒に汗を流しています。そういったスタンスで教育を行うからこそ、見えてくることがあると言います。

「部活動で輝く生徒は多く、普段の学校生活では見られなかった一面を知ることができます。また、学校生活とリンクした指導を行えるのも大きく、様々な角度からの指導が可能となります。生徒とともに汗を流すことで、生徒との距離感もぐっと縮まっていると感じますし、勉強や生活についての話もたくさんできているため、部活動をきっかけに生徒のことをより知ることができていますね」

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現在日本の公立学校でも、先生の負担軽減のために外部指導員を積極的に入れていこうという動きが出始めてきています。しかし顧問の先生が技術指導をできないからといって外部指導員に部活動を任せっきりにしてしまうのは、「教育としての部活」の観点から見ると危険があるようです。上記のように部活動も教育活動の一環として捉え、根気強く指導に当たられる先生がいるからこそ、教育としての部活動が成り立つのではないかと、同校の石原校長も話します。

また、「コーチの前原さんも技術指導ばかりではなく、人間指導も視野に入れて指導してくださっているので、大変助かっています」と顧問の先生。こうした顧問の先生とコーチの意思疎通をしっかり行うことが、これからの先生と外部指導員のあり方に求められてくるのかもしれません。

日本独特の文化である「部活動」。現在さまざまな問題提起がされ始めていますが、これをチャンスと捉えれば、より良い教育現場になっていくことは十分可能だと思います。ひとつひとつの課題をクリアしていき、生徒、先生、そして地域の人が一体となってよりよい仕組みが確立されていくことを期待します。

【おまけ】
最後に、六本木中学サッカー部のみなさんへのインタビューです!

  • このチームではどういうサッカーを目指していますか?
    全員で攻撃して全員で守備をするサッカー。
  • このチームのいいところ・自慢できるところを教えて下さい
    チーム皆が仲良く、コミュニケーションがちゃんと取れるところ。
  • チームの目標を教えてください
    都大会出場!
  • その目標を達成するために、これからどんな風に練習に取り組んでいきたいですか?
    もっとみんなで声をかけあって、もっと激しくプレーしていきたい。

六本木中学校サッカー部のみなさん、ありがとうございました!

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