都立野球部の雄。激戦西東京地区を勝ち上がれ!

真っ青な空に澄んだ空気の朝。12月なのにポカポカと暖かく、つい体を動かしたくなるような天気。本日の取材のために学校のグランドに向かっていくと、遠くから元気のいい声が聞こえてきた。

訪れたのは都立日野高等学校野球部。ご存知の方も多いと思うが、都立屈指の強豪校だ。
2013年の夏の大会西東京予選では、決勝進出。あと一歩のところで甲子園出場を逃したが、全国でも屈指の激戦区西東京地区で、しかも公立高校が王手をかけたということで、マスコミや高校野球ファンをにぎわせたことは記憶に新しい。

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主将の千代(せんだい)くん

大きく育つ

ここの練習を見ていて気になったことがある。ひとつは内・外野全員で行うゲッツーの練習。選手のグラブ捌きが非常に軽い。打球の正面に入るとか、相手をきちんと見て投げるとか関係なし。逆シングルOKだし、バックハンドやノールックトスも平気で行う。もちろんプレー自体はどうしても荒くなる感じはいなめない。
しかし、この練習の本当の狙いはプレーの〝センス〟を磨くことなのだそう。実際息を飲むような鮮やかなプレーが何度も飛び出していた。

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「試合でおこるミスの大半は球際でのプレー、そして時間との勝負のプレーです。その部分をふだんから意識することで本当の守備力強化につながります。また、こうした練習を行うことで、選手の中で体の使い方・運び方のアイディアが生まれたりもするんです」
そう話してくれたのは嶋田雅之(しまだまさゆき)先生。日野高校を、いわゆる“大物食い”ができる強豪校に鍛え上げた、力のある監督だ。

嶋田監督
嶋田監督

もうひとつはロングティーでの選手のスイング。アッパーぎみのスイングでガンガン打球を飛ばしている。
「これはボールをバットにのせる感覚を養うための練習です。試合ではなかなかこうした軌道でスイングすることはないですが、とにかく感覚を養ってほしい。メジャーリーガーの青木宣親選手もオフの練習に取り入れているみたいですね」

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目標は甲子園で”勝ち上がる”こと

これまでに何度も強豪校を倒しながらも、高く立ちはだかる甲子園出場の壁。しかしチームの目標はさらに先にある。
「甲子園出場、そして出るだけではなくて甲子園で勝ち上がることを目標にして練習しています」と主将の千代くん。小学生の頃、神宮球場に日野高校の応援に行った以来、ここで甲子園に出場することを目標に野球をしてきた。
また嶋田先生も、この日本最高峰の激戦区に身を置くことをむしろ楽しんでいるかのよう。
「『ここで甲子園にでたい』という、強い思いを持って入学してくる選手でこのチームはできています。そして3年間の練習で本当に大きく成長していきます。そうやって名門や強豪校と戦っていくことも、高校野球のおもしろみのひとつではないでしょうか」
野球のボールには、たくさんの人の思いが詰まっている。選手、チームのみんな、スタンドで応援する人、家族や地域の人……。その思いが強ければ強いほど人々は熱くなり、全力プレーに心が震える。夏の予選まであと半年。最高の仲間と最高の夏を過ごせるよう、頑張れ! 日野高校野球部。

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マネージャー手作りのお守り。夏の大会まで部員全員分、約100個を仕上げる

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(取材◎編集部 伊藤文人)

〔学校情報〕
都立日野高等学校
〒191-0021 東京都日野市石田1-190-1
TEL:042-581-7123
最寄駅:多摩モノレール万願寺駅より徒歩10分